恋愛感情、一方通行。


「谷口、頼んだ!」

声と共にバトンが私に渡される。



いける!

2位を抜かせる!



私は全力で2位のクラスの内側から抜かそうとした。

内側に並んだ、その時。



どんっ!



「ひゃ…っ!」



ガンッ!!



思い切り押されて、全力で走っていた私はあっけなく肩から思い切り突っ込んだ。

力が抜けた体に何が起こったかわからないまま、つんざくような激痛がはしった。



「っく……!!」

肩が痛い。痛い、いたい、イタイ…!



でも………

「はっっ…!」



力を振り絞って立ち上がる。



走らなきゃ。バトン、渡さなきゃ。



一歩踏み出すたびに裂けるような痛み。



でも、渡さなきゃ……!!

私は無我夢中で走った。

あと少し、あと少しだから!



お願い、持ちこたえて!!!


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