盲従彼女

side:南








私は、聞き逃さなかった。



「俺、本気だから。」




…いつもより低く、太い声色で囁かれた言葉に

私は正体不明の不安に駆られた。


この先、何かが起こる
そんな気がした。


だって、
「俺」……?


いつも「僕」って呼んでるでしょ…?


掴めない、彼が。

いや、掴みたくないけど。





だから私は、なるべく彼に流されないように決意をした。
「…次はもっと厳しくするから。」

かなり睨んで言ったけど効果無かったかな?







< 15 / 22 >

この作品をシェア

pagetop