盲従彼女




『一緒にお昼権』

これだけ後悔した約束が今まであっただろうか。


この権利が施行される毎日のお昼休み、学校近くの公園。
そこにある木のテーブルにお弁当を広げて、
イスに腰掛けながら、


隣で赤ちゃんに勝るくらい幸せそうな顔で私のお弁当を頬張る彼を見て、

私は毎回腹の底から深いため息を吐く。



「おいしい?」

「うんっ!世界一うまい!!」



お決まりのセリフ。
「おいしい?」を首を傾けながら可愛く言えば、
周りからは、どー見てもイマドキの高校生カップル。


これは…いつまで続くのだろう…。





2か月前、
彼は見事『私と一緒にお昼権』を獲得したのだ。






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