盲従彼女
side:千鶴
今日は週2回の服装検査。
大好きな、だぁ~い好きな、
南に会える。
「三浦くん、シャツ、しまって。」
今日も相変わらず絶不調な南。
ま、その原因は僕だけど☆
それでもスゲェ南が好き。
好きになった理由は単純。
一ヶ月前に今年初めて行われた、
僕の通う男子高と隣の女子高との合同風紀検査。
僕はそこで、
南に一目惚れした。
『漫画等の不要物は学校持ち込み禁止。
シャツも規定外だし……
学校来てる意味あるんですか?』
ええぇぇ?!!
校門の前で僕が見た光景は、
僕の高校一ワルの集団に、
なんの恐怖心も見せずに堂々と注意する南の姿だった。
漆黒の胸まで伸びるストレートの髪に、大きな瞳。
…顔ちいせぇ!!
見た目は完全に大和撫子で大人しい感じ。
でもそんなルックスから放たれる強烈な言葉に、
不良共、見事に唖然としてます。
不良達ダケじゃない。
周りにいた生活指導の極悪先生までもポカーン。
そして言いたいことを全て吐き出してスッキリした南の顔に
―――僕の心は一瞬で奪われた。