1人の私を構うあなたが嫌いだった。

教室に入るとまだそんなに人が居なかった。

まだ5人くらい。

緊張しているのか、静かに自分の机に座っていた。

黒板にそれぞれの席が書いてあるから見に行く。


…窓際。

窓際とか最高じゃん。

よかった、真ん中とかじゃなくて…。


私は自分の席に座って、鞄から音楽プレーヤーを取り出しイヤホンを耳に当てる。


数曲聴いたところで人が増えてきた。

もちろん騒がしくなってくる。


「一緒のクラスで良かったー!」
「ねー!これからもよろしく!!」


みたいな会話も聞こえてくる。

…うるさい。

音楽の音量をあげて顔を伏せる。


トントン…

誰だよ…。

振り向くと笑顔な男子が立っていた。

「…なんか用。」

素っ気なくするのはわざと。

そんなに関わりたくないから。

それにこいつ関わったらうるさそうだから。

「俺、隣の席の 柏井 叶夢(カシワイ カナト)!よろしくなー!」


何こいつ。私に構うとか変人?


「あっそ。私別によろしくする気無いから。てか関わんないで。」

そう言って教室から行くあてもないけど取り敢えず出ようとした時…


ガシッ!!


「……何?」

私はそいつをキツく睨んだ。

「っ!あ、ごめん!何でもない!!」

こいつ声デカイ。

私はその場から逃げるようにして教室から出ていった。


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