携帯小説サスペンス作家


翌朝、目の下にはクマが出来ていた。


寝ようとしても眠れなかった。


一晩中、策を考えていた。


しかし、なかなか良い策は思い浮かばない。


行きたくもない学校の用意をして、
「いってきます…。」
小さく言って、家を出ようとした。


『昨夜、○○区の路上で5人を刺し、3人が死亡、2人が重傷を負った事件で、男は「警察に恨みがある」と供述しているとのことです。警察は…』


警察に… 恨 み が あ る ?


瞬間、私の瞳は急激に輝き出した。


…そうだ、主人公は警察相手にゲームを繰り広げる犯罪者。


警察を馬鹿にするように、犯罪を犯していく。


それに手も足も出ない警察…。


実は、主人公の妹はストーカーに悩まされていて、何度も警察に掛け合ったが、警察は事件が起こるまで動かない。


妹はストーカーに殺害され、ストーカー自身も、妹に寄り添うように自殺。


捕まえるべき犯人すら居ない状況に、兄は嘆く。


無能な警察、憎き犯人、愛する妹…。


彼の、全ての感情が怒り、憎しみに変わった。


そして、兄は警察相手に犯罪を犯すことを決意したのだった…。



…うん、いいじゃない!

上出来よ。


私の顔からは笑みが溢れ出した。


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