携帯小説サスペンス作家
四 面 楚 歌
ザワザワザワ
ザワザワザワ
教室は、いつものように騒がしい。
この空間に、私の居場所など何処にも無い。
一人 机に向かい、何をするでもなく ただ時間が過ぎるのを待つ。
世界から存在を抹消される程 嬉しいことは無い。
私も、出来ることなら存在を抹消してもらいたい。
ただ、平和に過ごしたいだけなのに。
教室の一角から聞こえる、私への罵声。
それも、私に対して言うのではなく、仲間内での話。
「いっつも一人でキモくない?」
「あいつ、この前さ〜」
耳を覆いたくなる。
私は、今日も聞こえないフリをするのだ。
傷付いた心を隠して。