アソビ。

過去

「ただいまー…って誰もいないか。」


私のお母さんは死んだ。

高校入学の時だった。桜が散ると同時にお母さんの命も散った。

それもお父さんのせい。



お父さんはDVだった。働かないで家にいる。



毎晩家では、怒鳴り声が聞こえた。

私は怖くて毛布に包まり耳をふさいでいた。

いつも一人で――…

お母さんがついにDVに耐え切れなく死んだ。そしてお父さんは沢山の借金を残して逃げた。

幸いにもお母さんの貯金が残っていた。学校は行けるぐらいだ。


ある夜のことだ。バイトが終わり公園で休憩している時だった。

私がウトウトしていると

「おねーさん。風邪引くよ。」

「んぅ…」

「って、ター…同じ学校じゃん!俺、一条蓮。」

この人うるさい…しかもなんか言いかけたし。

「すみません、眠いんで寝せてもらえませんか…?」

私は寝ぼけてそんなことを言っていた。

「ぷぷっ。俺んち来る?」

そっからは記憶がない。

たぶん寝ちゃったんだろう。



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