初めての恋はあなたと。番外編
…俺らしいとは何だろうか?

そこまで考える必要もないのに、黙り込んで考えてしまった。

それでも彼女は気付いていないのか、「和也さん」と俺を呼んだ。


「ん?」

「子供は何人欲しいとかありますか?」


…理解する時間と落ち着かせる時間が欲しい。

多分彼女は子供の話の流れで、特に気にすることなく質問してきたのだろう。

しかし聞かれた側としては、素直に受け取れる訳にもいかず。
どうしても彼女との子供は何人欲しいかと考えてしまう。

そして彼女との将来を考えてしまう。

俺の思考回路はおかしいのだろうか。


「そうだな…二人ぐらいがいいとは思うが…君との子供なら何人でもいいな」


そう言うと、彼女は黙ってしまった。
見ると完全にフリーズ状態だ。

考えすぎて引かれたかと不安になったが、その不安は一気になくなる。

何故なら彼女の顔が真っ赤に染まっていたからだ。


「…いです」

「ん?」

「ずるいです。そんな、自惚れるようなこと言うなんて」
< 101 / 123 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop