初めての恋はあなたと。番外編
彼女はそう言って、再び黙ってしまった。

ギュッと抱きしめたい衝動に駆られるが、ここは外だと自分に言い聞かせる。

何か、この気持ちを落ち着かせる方法はないのか。

そう必死で考えていると、ふとついさっきの彼女の質問を思い出した。

…そういえば、彼女は何人欲しいとか聞いていなかったな。
彼女はどう考えているんだろうか?

ただ純粋にそう思い、聞いてみることにした。


「千夏」

「は、はい…?」

「千夏は何人欲しいとかある?」


そう聞くと「え、えっと…」と彼女は詰まりながらも一生懸命考えてくれる。

そんな姿を可愛いと思い、俺は末期だと考えるのはいつものこと。


「わ、私も二人ぐらいがいいかなとは思うんですけど…」

「けど?」


聞き返すと目の前で彼女はその先を言うか言わないか、しばらく迷いついさっきあげた頭を下げてしまった。

けどの先が気になるが、無理に言わせるのもどうかと思うな…。

そんな気持ちになり、「無理に言わなくてもいい」と声をかけようとした時。

遠慮がちに彼女の頭があがった。
< 102 / 123 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop