初めての恋はあなたと。番外編
「結構前から囁かれていたわよ」

「囁かれてたって…でもお姉様方からは何も聞かれないよ?」


和也さんを好きな総務のお姉様方はたくさんいる。
それが私と付き合っているのよ?
どういうことか普通なら聞いてきそうなのに。


「あの辺の方々は千夏なんて頭にないのよ。いても奪うことは出来るわみたいな感じなんでしょ」


嬉しいような…悲しいような。
確かに敵に回されるよりは、マシだろうけど。


「お姉様方じゃない、課長に好意を持ってた人も彼女がいるなら仕方ないし目の保養でいいって感じらしいわよ」


敵に回られるよりかはマシだろうけど。
目の保養ってなんか嫌だな…。

由依は水を一杯飲み、空いたコップをドンッと机に置いた。


「目の保養とか気にするところは確かにあるけど、社内のモテる人と付き合っているのにその反応よ?敵に回されるよりマシでしょ?」

「そ、そうだよね」


うんうんと由依は頷き、再びサラダへ戻っていった。

私もおにぎりへ戻ろうと思ったが、ふと疑問に思った。

そういえば由依はどこからそんな情報を仕入れているのだろうかと。
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