初めての恋はあなたと。番外編

「んっ…」


もぞっと動いて、自分が今どういった状況下に置かれているか把握出来た。

ベッドの中で横になっていて、目の前には目を閉じていて眠っている和也さん。

おかしい…さっきまで確か綾子さんと一緒にいたのに。

…まさか、前みたいに酔ってこれとか?
あぁそれしか考えられない。

ということは、また変なこと言っちゃった?
和也さんに迷惑…かけちゃったよね?


「…千夏」


ぐるぐると考えていると、ふいに名前を呼ばれグイッと引き寄せられた。


「あの、和也さん?」

「おはよう」

「あ、えっと…おはようございます」


カーテンがかかっていて、あまり分からなかったがどうやら朝らしい。

ぐっすり寝ていたということか…。


「頭痛くないか?」

「だ、大丈夫です。迷惑、かけちゃいましたよね…ごめんなさい」


心配してくれた和也さんに謝った。

記憶は一切ないけど、きっと前みたいになっていたかもしれない。

あぁ…綾子さんにも迷惑かけたのかな。

落ち込む私に、和也さんは優しく頭を撫でた。


「迷惑かけられたとは思っていない。そもそも千夏がお酒苦手なことを承知で、間違えて渡した姉が悪い」

「そうなんですか?」

「ああ、会社を出た後に電話があってな。自分が飲むはずのものを渡して酔ってしまったから迎えに来てほしいと」


いや、綾子さんが全て悪いわけではない。私だってちゃんと確認さえしていれば…。

それに、やっぱり和也さんに迷惑かけていたと思う。
きっと昨晩も残業だっただろうに、わざわざ私を迎えに来てくれた。

はぁ…お酒に弱い自分が憎らしい。
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