初めての恋はあなたと。番外編
「ねー由依」

「何?」

「そういった情報はどこから仕入れてるの?」

「ん?…あぁこれはーーー」

「あれ小西さんと有村さんじゃない?」


由依の横でイスを引いて座ったのは原さんだった。
手には食堂のA定食を持って。


「原さん!」

「小西さんお久しぶりー。課長とはどう?相変わらず仲いい?」

「え、あーまぁ…」


ニコニコと、読めない笑顔で原さんはど直球な質問をしてきた。
原さんも相変わらずよく分からない人物だ。


「そっか。その調子で仲良くね」

「はぁ…」


そして「いただきまーす」と言って、定食を食べ始めた。

…よく分からないというより自由人?
うーん…一体原さんは何者だろう。

会うたびに分からなくなっている気がする。


「ごちそうさまでした」

「え、早くないですか?」

「この後課長と外回りでね。遅れて地獄送りにはされたくないし」


そう言って原さんは素早く片付けを済ませ、颯爽と去って行った。
< 12 / 123 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop