初めての恋はあなたと。番外編
4.とある早朝
原side
「眠っ…」
思わず独り言を言ってしまった。
呟いた声が虚しく営業フロアに響いた。
外を見ると、綺麗な青空が広がっている。
しかし外は予想以上に寒いのだろう。
さて、何故俺がこんな朝早くに出社したかというと、昨日の仕事を片付けるためだ。
大きめの契約を担当しつつ、多忙な江崎課長を手助けしてたら自然の流れで残業になり、こうやって朝早くに出社しないと片付かなくなってきた。
俺朝弱いんだよなー…。
今ここにいるだけでも、我ながら素晴らしい。
「ふぁー…」
「大きい欠伸だな」
「…おはようございます課長。でも生理現象なんで、甘く見てくださいね」
再び出そうな欠伸を噛み殺して、我が営業部営業課の江崎課長を見た。
江崎課長はというと、朝早いというのにテキパキとした行動で仕事の準備に入っている。
確かにいつもテキパキとしていらっしゃるけど…今日はやけに元気だな。
…あーなるほど。
働かない頭でしばらく考えて納得した。