初めての恋はあなたと。番外編
「順調ってことですね」

「ん?順調と言えばそうだが…油断してたら他に取られるぞ」


…あれ。
課長は何か勘違いをしているらしい。


「仕事じゃないですよ」


課長はバサッと色々な資料を俺のデスクに置いた。

つまりこれを頼まれるってことか?
この量だと明日も朝早いな…。


「じゃあ何だ」

「プライベートのことですよ」

「…あぁそっちか」


課長って人の心を読むのが上手いのに、自分の恋愛に関してはかなり鈍いよな。

しかしプライベートのことだから、他の社員には一切見せないし。

ある意味器用な人なんだろう。
そしてある意味不器用な人でもあるだろう。


「いいですねー仲良さそうで」


冗談っぽく言うと、課長はいつものトーンで、


「そう言うお前はどうなんだ?」


と言った。


「…何の話しですか?」

「いるならさっさと動け。取られるぞ」

「いませんよ?そんな相手」


そう余裕を何とか持って課長に言った。
しかし課長は資料を見ていて、俺の発言は完全無視。
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