初めての恋はあなたと。番外編
5.友人の頼み
「え?合コン?」
それはある日の夜だった。
大学時代の友人からの電話にウキウキして出たところ、合コンのお誘いがやって来た。
「いいよ、私は行かなくて」
『今までも誘ってたけど断ってたでしょ?だから今回こそは行こうよ』
確かに今までは断ってたけど。
今回ばかりは絶対行きたくない。
そもそも私には和也さんがいるし!
行く意味がない‼︎
「だ、だって私彼氏いるもん!」
『千夏…現実を見なさい』
「え⁉︎違うよ!本当だって‼︎」
『私今回の合コンの幹事なのよ…来てくれるだけでいいから!私を助けると思って!ね?お願い千夏!』
切羽詰まった友人に一瞬戸惑ったが、違う違うと頭をふる。
行く時点で問題ありなんですけど!
返事をしなかった私の隙を狙って、友人は「また連絡する!」と元気良く電話を切ってしまった。
「あ、ちょ理香子⁉︎」
そう呼びかけるも無駄だった。
携帯から聞こえるのは、通話の終了を知らせる音。
「どうしよう…」