初めての恋はあなたと。番外編
合コンに至るまでの経緯から和也さんが助けに来てくれるまでのことを、一つも漏れないよう詳しく話した。
和也さんは途中で口を挟むことなく、ただ静かに聞いてくれた。
私にとって、ただ静かに聞いてくれることが何よりの救いだった。
「合コンのこと言わないでごめんなさい…」
そう言って頭を下げた。
そして胸に込み上げてくるものを必死に抑える。
そうでないと、泣いてしまいそうだから。
「千夏」
しばらくして和也さんの声が聞こえた。
その声からは、和也さんの気持ちは読み取れない。
加えて表情も分からない。
申し訳なさで顔があげられなかったからだ。
…優しい和也さんでも、さすがに呆れているよね。
何の相談もせず行ってしまったし…。
もし私が和也さんの立場なら、表面だけでも余裕を保つだなんて不可能だ。
改めて和也さんの気持ちを考えると、余計申し訳なくなり何度か呼びかけてくれる声に返事が出来なかった。