初めての恋はあなたと。番外編
思わず目を開けると、目の前には江崎課長の顔ではなく服が見えた。
引き寄せられたのか、江崎課長の香りがすぐ近くでして自然と心臓がバクバクと鳴りだす。


「この後何かあるか?」

「いえ、何もないです」


休日に何の予定もないのは悲しいことだが事実だ。
悲しいし何だか恥ずかしいけど、嘘を言うわけにはいかない。

江崎課長は「良かった」と呟いた。


「あの、江崎課長?」

「時間があるならもう少しゆっくりしよう」


…この状態でですか?
ギュウッと抱きしめられた状態でゆっくり?

いやいや無理ですって!
ゆっくりとか出来ないですって!!


そう心の中で叫んでいた私。
しかし数分後には、江崎課長の腕の中でぐっすり眠っているのであった。
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