初めての恋はあなたと。番外編
「…和也さん」


少し和也さんのほうに寄りかかると、和也さんはさっきより少し強く抱きしめてくれた。


「どうした?」

「私は…言葉足らずだし、素直に伝えることも出来ないし、和也さんに心配ばかりかけちゃうし…」


改めて声に出して言うと、自分って本当にダメだなと思う。

そんな私を和也さんは優しく頭を撫でてくれる。
…まるで小さい子供をあやすように。


「でも私…和也さんが大好きです。自分が思っている以上に大好きなんです」


とにかく伝えなきゃという気持ちが優先されて、頭の中に浮かんだ言葉を考えることもなく言った。

言ってしまった後に後悔するのはいつものこと。

言ってしまった後に恥ずかしくて、どうにかなりそうなのもいつものこと…。


「千夏」


そう名前を呼んで、名残惜しそうに和也さんは私の体を離した。

和也さんの方に体を向けると、私の頬に大きな手が添えられた。

片手だけだというのに、その手の温かさや優しさは私の想像をはるかにこえている。
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