初めての恋はあなたと。番外編
「あぁ…言っちゃったー…」


そう一人で呟いた。

…はずなのに。


「お姉ちゃんおめでとー」


と、呑気な声が入口付近で聞こえた。
声の主は言わなくても分かる。


「千尋⁉︎」

「ほのぼのしてますねー。本当に相手の人、会社で閻魔とか言われてるの?」

「ちょ、閻魔とか言わないで!というか、いつから聞いてたの⁉︎」

「閻魔って言ったのはお姉ちゃんでしょ?聞いていたのは、お姉ちゃんが一発目の爆弾発言した時から」


確かに閻魔とは言いましたけど!
それは会社でそう呼ばれてるけど優しいよって言ったんだよ?

しかも一発目の爆弾って…まさか初めては重いかっていう発言ですか?


「そんなに聞いていたの⁉︎」

「そうだよ。でも良かったねー」


そう言いながら我が妹の千尋は、何事もなかったように部屋を出て行った。

急に現れたかと思えば、嵐のようにどこかに行ってしまうし…。



何故私の周りには、行動が全くもって理解出来ない人が多いのだろうか。

多分この疑問は一生かかっても分からないんだろうな…。
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