初めての恋はあなたと。番外編
後半
週末。
私は一人和也さんの部屋にいた。
和也さんが仕事の関係で少し遅れるため、先にお邪魔しているのだ。
もう少ししたら和也さんが帰ってくるだろうという時間。
リビングの机の上には、短時間で作り上げた和風の夕食。
作った中でも茶碗蒸しは上出来だと思う!
私もやれば出来るんだ‼︎
…と、このようにさっきまでは料理のことで頭がいっぱいで、考える暇もなかった。
しかし微妙に余った時間を過ごす今、考えることはただ一つ。
もちろん今夜のことである。
私にとって初めてで、未知なる世界のこと。
心の準備は出来たと思ってたのに…やっぱり出来ていなかったです!
由依にどうしたらいいのか色々聞いたつもりなのに、「課長に任せなさい」と音符付きの言葉しか思い出せない。
「どうしようー…」
心臓がバクバクとうるさい。
壊れるんじゃないかってくらい鳴っている気がする。
うぅ…緊張のし過ぎで吐きそう。