初めての恋はあなたと。番外編
和也さんは短時間で仕上げた和食をこれでもかってくらい褒めてくれた。

あまり自信のない料理を、和也さんに褒めてもらって私は素直に喜んでいた。

しかし、時間が経ち和也さんに「先に入っておいで」と言われて、緊張の波が容赦なくやってきた。

それでも止まるわけにもいかない。
出来るだけ体を綺麗に洗い、ムダ毛がないか念入りにチェックして今に至る。


「はぁ…」


先にお風呂を済ませた私は、寝室で和也さんを待っていた。

別に初めて寝室に入る訳でもないのに、何故か初めて入ったように緊張する。

や、やっぱりそういうことをするって思っているからかな…。

あー…どうしよう？どうしたらいいの？


「千夏？」

「っ⁉︎」


顔を上げると、少し髪の濡れた和也さんが立っていた。

その姿がとても色っぽくて、見ているのがどうしようもないくらいに恥ずかしくなった。


「驚き過ぎだ」

「し、仕方ないです！」

「仕方ないのか？」


クスクス笑いながら、和也さんは私の横に座った。
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