初めての恋はあなたと。番外編
健兄ちゃんのコスプレ発言から数日後。
気付けば和也さんの誕生日だった。
以前から和也さんの誕生日を祝いたいと無理を言って、今私は和也さんのマンションにいる。
和也さんは前から仕事が多いと分かっていたらしく、先に帰るよう私に言っていたのだ。
そのため私は和也さんより早くこの部屋にいる。
和也さんが帰る予定時間まであと2、30分ほど。
えっと…作るべき料理は作ったし。
渡すプレゼントだって、ちゃんと準備してスタンバイしてあるから…あと、やらないといけないのは…。
「千夏ーそろそろいい?」
「…ねぇ、それ本当にやらないとダメ?」
「ここまできて辞めるは無しよ‼」
私の目の前で気合いを入れているのは、最近原さんと付き合うことになった由依。
どうやら原さんを放置して、今日の目的を果たそうとやってきたのだ。
やりたくないという気持ちを隠しつつ、原さんに迷惑だし来なくていいと断ったが。
「潤一も楽しみだねって言ってたから大丈夫!」
と言われ、断りきれず今に至る。