初めての恋はあなたと。番外編
「あの、笑わないで下さいね?」

「努力はする」


こんな会話をいつかしたような気がするなと思いつつ、一つ深呼吸。

そして立ち上がり、和也さんの前に立った。

恥ずかしくて視線を和也さんに向けられず下を向いているのは許して欲しい。

…何か言ってください和也さん!

しかし聞こえたのは、言葉ではなく大きな溜め息。
バッと視線を上げて、和也さんの方を見れば頭を抱えて座り込んでいた。


「あ、あの…和也さん?」


やはり私のナース姿がダメだったんだろうか…。

健兄ちゃんはコスプレした彼女に萌えるとか言ってたけど…実際はそうではないみたいだ。

これは…全く逆効果だよね?


「あのっ、着替えて来ます!」


とにかくこの格好を何とかしなければ。

恥ずかしいし、何より和也さんが喜んでくれていないならこの格好は無意味だ。

そう思った私は、小走りで着替えを置いていた寝室に向かった。

…はずだったのに。
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