初めての恋はあなたと。番外編
落ち着け私ー!
こんな時に焦ってる場合じゃない!
はいって…はいって言わなきゃ。


「あ、あの」

「ダメ…か?」


真っ赤な顔で焦ると、和也さんは首を傾けながら聞いてきた。

やめてくれ…そんな可愛く子供みたいにねだらないで!


「千夏?」

「…お、お願いします」


そう詰まりながら言えば、和也さんはニコリと微笑むとこっちに来て私を抱きかかえた。

そのまま和也さんの足は寝室へ。


「え、ちょ和也さん⁉」


まさか今すぐだなんて!
てっきり、もう少しゆっくりしてからかと…。

まだ…言いたいことも言えてないのに‼

気付けば私と和也さんは寝室にいて、私の体はベッドの上にあった。

そして和也さんはゆっくりと、まるで割れ物を扱うかのように優しく髪を梳く。

その優しさに忘れそうになるけど。


「和也さん待って…」

「悪いけど…今から中止は無しだ」

「違いますっ…その、言いたいことがあって」

「何だ?」


ちゃんと言わなきゃ。
今日はこのために色々頑張ったんだから。


「和也さん、お誕生日おめでとうございます」
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