初めての恋はあなたと。番外編
瑞希さんの手料理を堪能した後、俺はキッチンに立つ瑞希さんをテレビを見るフリをして眺めていた。
いつもはこんな風にじっと眺めないが、今日は眺めたくなった。
先ほどあんなやりとりをしたからだろうか?
瑞希さんが愛しくて仕方がないのかもしれない。
「よし…お風呂入ってくるわね」
「あ、瑞希さんちょっと」
片付けが終わりエプロンを外した瑞希さんを、俺は手招きをして呼び止めた。
瑞希さんは不思議そうな顔をしつつ、俺のところまでやって来てくれた。
「どうしたの?」
「瑞希さん、メリークリスマス」
そう言って瑞希さんに、今日のために準備したプレゼントを渡した。
プレゼントを渡すのは毎度おなじみだが、こうやって二人きりの時に渡すのは何十年振りだろう。
「ありがとう。開けてもいい?」
「もちろんだよ」
「今年は何かしら?」と言いながら、嬉しそうに包みをあける瑞希さん。
その仕草が、表情が子供らしく見える。
まあそれはそれで可愛いし、満足なんですけどね?
「これは…入浴剤?」
瑞希さんが出したのは入浴剤セット。
女性らしく、と思って様々なところを回って集めてきたのだ。