Task Force-特別任務部隊-
「お断りします!」

必死にマットを引き摺りながら、グライムズは怒鳴った。

「誰一人残さず、死体になっても仲間は連れて帰る!あのブラックホークのパイロットのお姉さんも、後で必ず迎えに行きます!エヴァーズマン軍曹も、必ず連れて帰ります!自爆させるのに手榴弾使わせるくらいなら、ここで奴らにぶん投げてやります!」

「グライムズ…」

マットも、そしてマクナイトも。

グライムズを分隊に入れた事は正解だったと、心の底から感じていた。

心強い。

戦場での技術や経験は、鍛えれば何とでもなる。

しかし仲間を絶対に見捨てないという精神は、そうそう簡単に培われるものではない。

何故なら極限の戦場では、人間の弱い面が露呈してしまうからだ。

仲間よりも自分を優先してしまう、醜くも人間としての抗い難き本性。

そんな戦場でここまで言ってのけられるグライムズは、立派にタスクフォースとしての兵士の務めをなしていた。

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