Task Force-特別任務部隊-

四年後の98年末。

インドネシア中部スラウェシ州北東沿岸部の主要な港であり交通の中心であるポソで起こったポソ宗教戦争は、幾つもの紛争地帯を渡り歩いたゴーストが知っている中でも、最も凄惨な戦場だった。

ムスリムとキリスト教徒の間で抗争が勃発し、約1000人が死亡。

数万人が避難民となった。

抗争の発端は、ムスリムの少女がキリスト教徒に性的暴行を受けたという噂が原因だった。

この抗争により、数千人ものムスリムとキリスト教徒が死亡。

6万世帯以上が避難したとも報告された。

死者数、避難民の数は正確には分かっていない。

元アフガン義勇兵が中核メンバーの東南アジアのイスラム主義組織『ジェマ・イスラミア』なども参戦し、泥沼の戦場と化したポソ。

そのジェマ・イスラミアが宗教戦争の雰囲気を醸成する目的で公開した動画には対立する宗教の住民の生首を掲げる民兵や、犠牲者の激しく損壊された遺体、リンチを受ける住民などが映し出されており、紛争がいかに凄惨なものであったかを住民に印象づける。