Task Force-特別任務部隊-
侵入するといっても、要塞は10メートル近い高さの支柱の上にある。

更に支柱を登り切っても、構造部の底部によって鼠返しのような形になっている。

潜入は実に困難と言えた。

しかしゴーストは躊躇する事なく、まずは支柱に両手を回して登り始める。

半世紀以上もの間、海上の風や荒波に晒されていた支柱だ。

錆や凹凸などがあり、完全に滑らかな訳ではない。

その僅かな取っ掛かりさえあれば、指がかけられる。

フリークライミングを習得しているゴーストならば、指の第一関節の半分もかけられる取っ掛かりがあれば、自身の体重を支える事が出来た。

時折照らし出す監視塔からのサーチライトは、支柱の死角に回り込んで身を隠す。

見事な潜入だった。

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