Task Force-特別任務部隊-
「ここが、谷口 誠一等陸士の墓ッスか」

豊田の背後で声がする。

立っていたのは進藤 誠一等陸士。

豊田の後輩の戦術自衛隊員だ。

「…もう随分経つわね、谷口君が逝ってから」

豊田はゆっくりと立ち上がる。

戦術自衛隊小川小隊が、まだ分隊規模だった頃に配属されてきた隊員。

第一空挺団所属で、それはそれは頼りになったものだ。

人付き合いが苦手で、しかし優秀な隊員だった。

いつからか豊田は谷口に好意を寄せ、谷口もまた豊田を大切に想っていた。

ずっと共に歩んでいける。

それが戦場ではなくなったとしても。

そう思っていた。

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