Task Force-特別任務部隊-
とはいえ、それも『地面の上』での事だ。

ガイストは建物の壁をよじ登る。

建物といっても、せいぜい3メートル程度の高さの一階建てだ。

両手を伸ばして跳躍すれば、簡単に屋根に上がる事が出来る。

警備兵達は、建物の屋根沿いに伝う侵入者がいるとは思っていない。

建物の間に渡した、木の板で作られた橋を通り、まんまと警備兵の頭上を通過するガイスト。

隣の建物に渡り、再び壁際に身を隠す。

今度の建物は二階建て。

更に向こうの監視塔から、兵士が見張っている。

隙を見計らい、兵士の視線が逸れた所で、物陰へと駆け込む。

監視の兵士とて、常に同じ方向を見ている訳ではない。

『視線の死角』もあれば、ほんの一瞬の気の緩みからくる『意識の死角』もある。

ガイストはそういった死角を利用して、収容施設の奥へと進んでいった。

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