Task Force-特別任務部隊-
しかし、こんな最前線に小川小隊だけを配置して、ブルトザオガーを水際で食い止めさせるとは。

如何に戦術自衛隊が追い詰められているとはいえ、あまりにも無謀だ。

撤退命令は下さなかったのか。

「俺達は富永中隊長の時間稼ぎッスよ」

唾棄するように進藤が言う。

戦術陸上自衛隊の中隊を指揮する、富永三等陸佐。

小川達の更に上官であり、隊員約200人を指揮する。

だが、ブルトザオガーの圧倒的攻撃力に押され、戦局が劣勢に立たされると、部下に対し『君らは英雄だ、すぐに私も後を追う』と説教を垂れ、拒否する隊員は怒鳴り散らし、強制的に出撃させ、中隊を皆殺しにする。

その中には、富永自身の息子もいたという。

が、富永本人は最前線のお台場から真っ先に逃亡。

現在は行方不明だという。

< 587 / 840 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop