Task Force-特別任務部隊-
戦いが長引くにつれ地下壕や病院は負傷兵で一杯になった。

医薬品も麻酔薬も不足していた為、負傷兵は傷を負ったまま放置された。

そこら中に四肢が欠けて骨が剥き出しになった兵士や、血塗れで包帯が巻かれた負傷兵や死体が横たわっていた。

既に戦闘不可能な負傷兵が集う場所も砲撃に晒された為、ある野戦病院では衛生兵がシーツと血で赤十字の旗を作って掲げた。

ロンドンの戦いの初期段階で既に絶望的な戦闘であったが、世界統一政府軍が撃滅され降伏するまで続いた。

その絶望的状況にもかかわらず、アメリカ軍が市の中央部に進撃する為には通りごとに多大な犠牲を払わなければならなかった。

これ程の絶望的状況下にもかかわらず、当主は決して降伏せず、寧ろこの地獄のような戦争を愉しんでいる節があり、降伏を進言する部下は敗北主義者として憲兵に処刑させ、火器弾薬がなくなれば銃剣のみで突撃せよという無茶な命令さえ下していた。

< 827 / 840 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop