俺様社長とスキャンダルキス~おまけ完~
そう言って溜息をついたのは。

「…社長こそ、お仕事ですか?」

そう、ドアにもたれ舞を見ていたのは、英志だった。

…まさか、舞の部署が分かったなんて。

たかが平社員の舞。

舞は、ただ驚いていた。もう二度と、

会話すらしないだろうと思ってた相手だけに。


「大事な仕事があったから来たまでだ。

…お前、名前は?」


「…答えなければいけませんか?」

そう言って名を名乗る事を拒否した舞。


「社長命令だ、名を名乗れ」

英志は真顔で言った。


舞は、英志の真顔に根負けして、名前だけだしと思い、

応える事にした。


「大高舞です」

「午後の予定は?」

英志の質問に、怪訝な顔をした舞。

「そこはプライベートなので、応えかねます」

「俺もプライベートで聞いてるんだ、応えろ」

まるで、トラにでも睨まれているような錯覚に陥った舞は、

仕方なく答える事にした。
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