俺様社長とスキャンダルキス~おまけ完~
「それに異議を唱える重役たちの署名です。

重役の半数が、貴方を解任したいと言ってるんです」


「ほぅ・・・」

書類を突き付けられても、英志は顔色一つ変えない。

それを見た藤嶋の方が、冷や汗をかき始める。

2人があまりに対照的な態度をとるので、長嶋は、

ハラハラしていた。


『長嶋、お前は十分な事をしてくれた。礼を言うよ。

だが、後は俺が片を付けるから、黙って見ててくれ。

…もし、オレが社長でなくなっても、長嶋にはこの会社にいてもらいたいから。

いいな?』


そう言って笑った社長の言葉を、長嶋は忠実に守っていた。

言いたいのに、言えないもどかしさ。

社長を、秘書として守りたいのに・・・。


「藤嶋副社長」

「・・・なんですか?」

低いどすに効いた英志の声に、怯んだのは藤嶋の方だった。




「たったこれだけの署名で、この俺を解任できると?」

「・・・それは」

出来るとはいいがたい人数だ。
< 108 / 277 >

この作品をシェア

pagetop