俺様社長とスキャンダルキス~おまけ完~
会議は終わり、英志と長嶋は社長室に戻った。

英志は、大きな安堵の溜息をつき、デスクに座った。


「社長、お見事でした…

藤嶋副社長や、榊部長の横領までは探れず、

大したお助けも出来ませんでした…」


そう言って長嶋は頭を下げた。


「長嶋、礼を言うのは俺の方だ」

「・・・え??」

驚きの眼差しで、英志を見つめる長嶋。

そんな英志は、苦笑いした。


「重役たちを説得して回ってたんだろ?」

「・・・はい」


「それをしてくれてたおかげで、今回の書類の件も、

素直に受け入れてくれたんだよ、あの石頭たちが」

「・・・そうなんでしょうか?」

半信半疑で、長嶋は言う。


英志は深く頷いていた。


「すべて事実だが、重役たちが信じる確率など、

半々だったんだよ、だから、長嶋が裏で動いてくれてなかったら、

俺の言葉より、藤嶋の言葉を、皆信じただろう。

ありがとう、長嶋」
< 111 / 277 >

この作品をシェア

pagetop