俺様社長とスキャンダルキス~おまけ完~
「職種を選ばないなら、ここで働くと言うのはどうでしょう?」

「えっ?!」

面食らった舞に、店員は慌ててポケットを探った。


「驚かせてすみません、私、この店を経営してる門倉亮と言います。

最近突然、従業員が辞めてしまって、働いてくれる人を探してたんです」

そう言って門倉が差し出したのは、名刺。


相変わらず驚いたままの舞に、門倉は店の張り紙を指差した。

『至急!従業員募集』

「・・・・何で私に?」


「貴女は仕事を探してる、私は従業員を探してる。

考えてる事は同じ。それに・・・」


「…それに?」


「実は、何人か面接に来てくれたんですが、

この店の雰囲気に合わない子ばかりで・・・

貴女は、この店の雰囲気にピッタリだ。

貴女が嫌じゃなければ、是非、働いてほしい」


…冗談や冷やかしではなさそうだ。

門倉の顔は真剣そのもので。

でもすぐに、返事をするには・・・・


「門倉さん」

「はい?」

「少し、考えてもよろしいでしょうか?」

「ええ、もちろんです。あ、でも、早めにお願いします。

私一人なので、切り盛りが大変で」

そう言って門倉は苦笑いした。
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