俺様社長とスキャンダルキス~おまけ完~
それはそうだろう。

舞は、どこから探してきたのか?

メガネ(門倉の)と、マスク(店の奥にたまたまあった)を

付け、客の前に現れたのだ。

…これでは不審者だ。


「いらっしゃいませ、どのようなお花をお探しですか?」

怪訝な顔の客に、舞も動揺していた。

それは、客がそんな顔をしてたからではない。


…岡崎英志、その人だったからだ。


「…花を送りたい」

「…誰かのお誕生日ですか?」


「あぁ・・・かすみ草が好きだから、それをいれた花束、

他の花は、アンタに任す」


「…女性にですか?」

「・・・・悪いか?」

「・・・いえ」

何でこんなことを聞いてしまったのか?

聞いたところで、何の意味もない。

でも、舞は、そうであってほしくなくて、その質問を投げかけた。


・・・英志の心の中には、もう、

舞ではなく、他の女性が住んでいる・・・

英志から逃げたのは自分。

遠くに行ってしまった舞より、近くにいる女性に目が行くのも、当然。

頭では分かっているのに、心にはぽっかりと穴が開いてしまっている。
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