俺様社長とスキャンダルキス~おまけ完~
舞は、安堵の溜息をつきながら、門倉と交代して、

喫茶の方へ足を進めた。

「いらっしゃいませ、何になさいますか?」

「コーヒーを・・・・舞ちゃん」

「・・・・」


今日はなんて日だ。

舞はそう思った。

会いたくない人に、立て続けに二度も会うなんて。


「…舞ちゃん、こんな所で何してる?」

「…貴洋先輩こそ、こんな所で何してるんですか?」

…そうなのだ。

席について、コーヒーを頼んでいるのは、貴洋だった。

今は、まだ就業時間。

こんな所で油を売っている場合じゃないはず。


「「会社は?」」

2人の声が重なった。

「私は・・・辞めました」

「ヘッドハンティングされたんだ」


またしても二人の声は重なって、そして二人同時に驚いていた。

「辞めたって何で?」

「ヘッドハンティングなんて・・・」


驚きあう二人をよそに、門倉に急かされた舞は、

話しもそこそこに、仕事に戻らざるおえなかった。
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