俺様社長とスキャンダルキス~おまけ完~
でもそれは出来なかった。

なぜなら、貴洋が舞を自分の方に手繰り寄せていたからだ。


「今日の先約はこのオレです。

ですから舞ちゃんを渡す訳には行きません」


「・・・何?」

「エ、ちょっと、2人とも・・」

舞の肩に腕を回した貴洋は、英志を睨んでいた。

舞は睨み合う二人をオドオドしながら見ていた。


「舞ちゃん、社長と約束してたのか?」

貴洋は英志から舞の方に視線を移していたが、

その目はとても優しい目をしていた。


そんな貴洋を見て、ブンブンと左右に首を振って見せた舞。

「…と言う事ですから、舞ちゃんはオレが連れて行きます」

そう言った貴洋だったが、英志も負けてはいない。


「待て」

「…まだ何か?」

振り返った貴洋。


「お前は舞の事が好きなのか?」

「…だったらなんだって言うんですか?」

貴洋の言葉に、舞はとても驚いたが、嬉しかった。



「お前に舞は渡さない」

「その言葉、そっくりそのままお返しします」
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