俺様社長とスキャンダルキス~おまけ完~
・・・英志の両親に会う約束をしている今日。

舞はとある場所に向かっていた。


「久しぶり」

そう言って微笑んでいるのは。


「…貴洋先輩」

舞が好きだった相手。

今はとても嫌いになった相手。


「この間の件、考えてくれた?

いい返事を期待してきたんだけど」

貴洋の言葉に、舞は顔を歪めた。


あの日。

舞にかかってきた貴洋からの電話。

それはとんでもない条件の内容だった。


『今から言う事、よ~く聞いて・・・。

オレは元々岡崎物産にいた。…と言う事は、

岡崎の情報は、たくさん知ってるって言うのは分かるよな?

その情報を、長嶋の社長が欲しがってるんだ。

でも、今から言う条件を呑んでくれたら、

舞ちゃんの愛する英志社長は、岡崎物産は守られる』


黙ったまま、舞は次の言葉を待った。

舞の手は震えていた。

…また、自分は、英志から・・・

そう思うと、震えは止まらなかった。
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