俺様社長とスキャンダルキス~おまけ完~
「どうしてもっと甘えないんですか」

強がる舞に、長嶋はベッドに寝かせながらそう言った。


「英志さんの妻になる身です・・・。

甘えてるわけにいかないじゃないですか」

荒い息遣いで、それでもそう言って微笑む舞を見て、

長嶋は何とも言えない気持ちになった。



…気が付けば、舞を抱きしめていた。



「…長嶋、さん?」

高熱で、力の入らない舞。

舞はどうする事も出来なくて、ただ、長嶋の名を呼ぶ。


「どうしてそうまでして、社長と一緒にいるんですか?」

「…好き、だか、ら。

…愛してる・・・から。それだけじゃ、理由に、なりませんか?」


「僕なら、もっと平穏で穏やかな幸せをあげられるのに」

「・・・・え?」


…思ってもいない言葉に、舞は言葉を失った。


・・・長嶋はハッとした。

…まさか、自分が、いつの間にか、舞に想いを寄せていたなんて。

こんな時に気付くなんて。
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