俺様社長とスキャンダルキス~おまけ完~
…好きだと、愛していると言ってしまえば、

長嶋は、舞を離せなくなることは分かっていた。


…だから、長嶋は、絶対にその言葉を口にしなかった。


自分は、英志の代わりになどなれない。


それが分かっていた。

そして何より、尊敬する英志の大事な人を奪う権利など、

自分にはないと思った。


…いつか、舞への気持ちを、忘れる事が出来るだろうか?

…こんなに苦しい思いをするくらいなら、舞への気持ちに、

気づかなければよかったのに。


買ってきた薬を飲ませた長嶋は、スヤスヤと眠る舞を見ながら、

そんな事を想いつつ、

今しばらく、舞の寝顔を見るだけと、そっと手を握りしめ見つめていた。



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