俺様社長とスキャンダルキス~おまけ完~
・・・目が覚めた舞は、薬が効いたのか、

熱も大分引いていた。

ベッドの横にはもう誰もおらず、舞は溜息をついた。


…まさか、長嶋が自分に想いを寄せていたなんて、

誰が気付いていたか?

真っ直ぐに見つめられた舞は、長嶋の目に吸い込まれそうだった。

…好きなわけじゃない。

長嶋を愛してるわけじゃない。


心から愛しているのは、英志一人だけだ。

しかし、

心が弱っている舞にとって、長嶋の優しさが、

心に沁みてしまう。


このまま、英志に会えなくなったら、

長嶋に気持ちが動いてしまうかもしれない。

…それほどまでに、舞の心は弱り、疲れ切っていた。



…静かなホテルの一室。

掛け時計の音だけがこだましていた。

それに目をやった舞。

時計は、午後11時を指していた。


・・・コンコン。

こんな時間に一体誰が?
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