俺様社長とスキャンダルキス~おまけ完~
…まさか、報道関係者が、コネを使って、

部屋を突き止めたのか?

…舞は恐る恐る、ドアの方へ近づいた。


「・・・・」

でも、怖さが勝って、ドアの向こうに声をかける事が出来ない。


「…舞、俺だ、開けてくれ」

「…英志、さん?」

「・・・そうだ」

まだ、会わなくなって数日しか経っていないのに、

その懐かしい声に、舞はすがりたくて、

急いでそのドアを開けた。


その途端、舞はその強い腕に抱かれ、部屋の中へ。

ドン・・・と、壁に追いやられ、それでもなお、

その腕は舞を離す事を知らないように、

強く強く抱きしめていた。


「英志さん…英志さん・・・」

舞は泣きながら、英志の名を何度も呼んだ。


「来るのが遅くなって悪かった。

・・・長嶋に聞いたんだ」


「?!・・・ぇ」


長嶋の名を聞いただけで、舞は体をビクつかせた。
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