俺様社長とスキャンダルキス~おまけ完~
岡崎英志 様

これは少し辞表とは違ったものかもしれません。

それは、あらかじめご了承ください。

今日の幸せな結婚式を台無しにしてしまった事、

本当に申し訳ありませんでした。

何も言わず、辞表を出すつもりでいました。

一身上の都合という名目で。でも・・・。

どうしても、自分の気持ちを言いたくて、お二人に

私の気持ちを言ってしまいました。


勝手な、わがままな私ですが、言えて少しスッキリしました。

大事な門出に、2人を惑わせてしまったのは、

ちょっとした意地悪心が働いたせいです・・・すみません。


・・・でもこれで、やっと心置きなく岡崎を辞め、

自分の親の後を継ぐ決心も出来ました。

こうでもしなければ、きっとずっと、岡崎社長の秘書を続けていたかもしれない。

…舞さんへの気持ちも持ったまま悶々と・・・。


私の事をどんなに嫌いになっても構いません。

ですが、舞さんだけは何も咎めたりしないでください。

だって、彼女は何も英志さんに後ろめたい事は何一つしていないのですから。


キスをしたのは、唇ではなく、鼻先です。

それすらも英志さんは嫌でしょうが・・・

しかも舞さんは、必死に抵抗していました。

舞さんが心から1番に想っているのは、英志さん、

あなた一人だけです。

ですから、彼女を、しっかり抱きしめてください。

きっと舞さんは今、罪悪感で一杯でしょうから。

…もしかしたら、英志さんと別れる事も、考えてるかもしれません。

自分の事より、英志さんの事ばかり気にするところがありますから。


長い間、私みたいな男を大事に育てて下さり、

面倒見て下さり、本当に心から感謝しています。

最後まで迷惑ばかりかけてすみませんでした。


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