俺様社長とスキャンダルキス~おまけ完~
「英志、さん」

ヒックヒックとしゃくりあげながら、舞は小さな声で

英志の名を呼び、こう言った。


「英志さん・・・私の、事、嫌い、になった?」

「…バカだな、何でそんなこと思うんだよ?」

英志は舞の背中を優しく撫でながら、優しく言う。


「私が、長、嶋さんと・・・」

「長嶋が、舞の鼻先にキスしたってやつか?」

「?!」


英志の言葉に、舞の体は委縮する。

あぁ、やっぱりダメなのか。そう思ったからだ。


「…鼻先にしたんなら、挨拶みたいなものだろ?」

「・・・ぇ」


「舞は必死に阻止てくれたんだろ・・・ここ」

そう言って英志は舞の柔らかな唇を指でなぞった。

舞は黙って小さく頷いて見せた。


「女の舞が、男の長嶋に、押さえつけられたら、

どうにもならないよな・・・

聞かされた時点で分かってたんだ、なんとなく。

でも、嫉妬すると、理性なんて吹き飛んじまう・・」

そう言って英志は苦笑いした。
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