俺様社長とスキャンダルキス~おまけ完~
人気のない場所で、ようやく足を止めた貴洋。

早足だった為、息を必死で整える舞。


「何で、今頃、会社にいるんですか?

何で急に・・・休んだり、したんですか?」

舞が問いかけると、貴洋はしばらく黙りこんで、

ようやく重い口を開いた。


「今日は、彼女の命日だったんだ・・・」

貴洋の言葉に当然ながら驚く舞。

驚きとショックで、言葉も出なかった。


「自動車事故だった・・・

オレの運転で、急に飛びだしてきた動物を避けようとして、

運転ミスした・・・そして、助手席に乗っていた彼女は致命傷を負って、

殺してしまったんだ、オレのせいで・・・

一生、彼女だけを想っているつもりだった、それが彼女への

罪滅ぼしだと思ってた。それなのに・・・」


そう言った貴洋は、真っ直ぐに、舞を見つめた。


「オレは、君を好きになってしまった・・・

そんなこと許されないのに・・・」

貴洋の瞳は潤み、揺れていた・・・

舞を見つめるその瞳は熱を帯びているかのようで・・・。
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