俺様社長とスキャンダルキス~おまけ完~
舞は思った。

加奈の言う通りだった。

お互い想いあっているのに、結ばれる事はない。

どんなに想いあっても、壁を乗り越える事は出来ないだろうと。


そう思うと、また涙が溢れた。

辛くて、苦しくて・・・。


「舞を苦しめるな」

「…社長」

舞たちを探し、ようやく見つけ出した英志。

涙を流す舞を、悲痛な思いで見つめた。


そして次の瞬間、舞を奪い去り、駐車場に向かって歩き出した。


そんな二人を、貴洋は追いかける事はなかった。

いや、追いかけられなかった。

自分は、舞には相応しくない、ただ苦しめるだけの存在なのかと思うと、

追いかける事などできやしなかった。



「…社長・・・どこに」

「さっき、俺に付き合えと言っただろ」

「・・・・」

強引に舞を車に乗せた英志は、どこかに向かって車を走らせた。
< 27 / 277 >

この作品をシェア

pagetop