俺様社長とスキャンダルキス~おまけ完~
英志を見届け、腕時計を見た舞はハッとする。

「遅刻しちゃう」

シャワーも浴びたいし、化粧もしなきゃ。

そう思いながら慌てて舞は家の中に入った。


…遅刻ギリギリで会社に入った舞。

ロビーを歩いていると、エレベーターから降りてくる英志に出くわした。


・・・早い。

舞はそう思った。

スーツも着替え、髪型もしっかり整え、

いつもの岡崎英志社長になっていた。

昨日とは別人のような、強いオーラに、舞は視線を逸らすことも忘れていた。


そんな時、英志が舞いに気づいた。

だが・・・英志は素知らぬ顔をして、舞の横を通り過ぎて行った。


その事がなんだか悲しく思ってしまって。

昨日、同じ空間で、あんなに傍で、手を握り合っていた英志だったのに、

今はまるで全くの他人のような態度。

…仕方がない。

頭では分かっている。

英志は社長で、舞は平社員。

格差は歴然。

沢山の社員達がいる中で、舞に話しかける事など、

出来るわけがない。
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